無痛分娩に向けた身体作り


無痛分娩は上記の硬膜外腔にカテーテルを留置して、麻酔液を注入します。ワンショットで入れたり、機械を用いて持続的に麻酔液を注入したり、自分でボタンを押して注入する方法もあります。

陣痛に伴う痛みは概ね取り除くことができ、押される感じや、赤ちゃんが出てくる感じが残ることが多いです。


麻酔処置について

背骨の突起の間から、太い針を刺して硬膜外腔まで針を進めます。次に、細いカテーテルを刺した針から挿入して、目標の長さを挿入できれば、針を抜いてカテーテルのみ留置されます。

背骨の突起の間からアプローチするので、側臥位か座位になって背中を丸めて処置を行います。妊娠中に反り腰となってしまうと、突起間の隙間が狭くなり、処置にやや難航することがあります。妊娠中の良い姿勢は大切です。


麻酔が効かない

麻酔が効かない状況は主に2つあります。

①麻酔の範囲が得られない

②麻酔の強さが足りない


①の範囲が得られない、は特に背骨の曲がっているケースに見られます。側弯症で受診した経験がない人でも、見た目に背骨が大きく曲がっているなどの場合は、なかなか範囲が得られない印象です。まっすぐ立った状態で左右の肩の高さが大きく違う場合は、出産院で相談することをお勧めします。骨盤ケアなどで、多少は対処できるかも知れません。

②の麻酔の強さが足りない場合は、多少濃度の濃い麻酔薬を使用することもありますが、限界があります。使用する麻酔の濃度は、大体一緒ですが、そもそも分娩で生じる痛みの強さは、皆一緒ではありません。想像できるかと思いますが、骨盤に対して赤ちゃんが大きい場合は、痛みは大きくなります。その他、回旋異常、不正軸侵入などでは、より痛みは強くなります。38週と41週、3週間違えば赤ちゃんの大きさも500g近く違いが出ます。無痛分娩でも、より無痛での出産を目指すのであれば、そもそも少ない痛みで出産できる体作りは必要です。


体を良く動かし、ストレッチなどで骨盤や背骨をケアしていきましょう。

大きくなる子宮をしっかり支え、自分の体幹に子宮が収まるように保つことで、回旋異常や不正軸侵入を予防しましょう。

できれば予定日を超えない内に、赤ちゃんが降りてきて陣痛が来てくれますように、正しい姿勢でしっかり歩くなどもお勧めです。

何度も言ってしまいますが、無痛分娩を目指す人ほど、安産できる体作りは大切です。

当院でも安産に向けたプログラム、背骨と骨盤のケアを実施しています。


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