乳房トラブルのケア


主な乳房トラブルは、

①強すぎる乳房の張り(乳房緊満)

②乳頭が切れる、水疱、血疱

③乳頭白斑

④乳房のしこり

⑤乳腺炎 などがあります。

①は出産後2~3日以内に症状が出はじめます。母乳は血液から作られます。その血液が集まり、循環が悪くなると症状が出ます。作られた母乳で胸が張っているわけではないので、あまり母乳の分泌はみられません。この症状を経た後に母乳分泌が見られるようになりますが、程度が強い場合は、母乳分泌が見られてもしばらく症状が続きます。対処法は、ちょくちょく飲ませることです。クーリングも良いでしょう。そもそも乳房にまつわる循環が良いことが大切なので、妊娠中からよく肩を動かしておくのもいいでしょう。尚、当院では、徳元式の整体テクニックで、乳房トラブルを起こしにくいケアも実施しています。産前も産後ももちろん可能です。


②乳頭亀裂、水疱は、程度が強いととても痛いです。乳房を含ませるときに、乳頭だけが引っ張られるような浅い含ませ方だと起こります。亀裂しないように、乳輪からしっかり含ませますが、乳頭の状態によっては、かなりコツが必要なケースもあります。乳房の含ませ方(ラッチオン)に自信のない場合は、訪問にてお手伝いいたします。妊娠中から乳頭乳輪を柔らかくしておくのも、お勧めです。


③乳頭の白斑は主に2種類あります。一つは常在菌でもある真菌が乳頭で巣を作った場合です。針を刺したようにとても痛いですが、皮膚科などで診断されて薬を塗れば、すぐに良くなります。真菌は、巣を作るまで時間がかかるので、毎日のシャワーや入浴で、石鹸で軽く洗えば防げます。

もう一つ、よくある白斑は、乳腺が詰まりかけるとできます。授乳では、乳脂肪分が最後の方で分泌されるので、乳脂肪分までしっかり排出できるような授乳方法をとらないと、脂肪分が溜まって起こりやすくなります。しっかり吸啜させて、分泌の細い乳腺からもしっかりと飲んでもらいましょう。解消できないしこりに発展した場合は、訪問にてケアをいたします。


④乳房のしこりは、授乳時の抱き方を変えてみたり、場合によっては搾乳で解消できます。乳房の大きさや形としこりの部位は、そこそこ関連があります。授乳の時の抱き方としては、交差抱き、横抱き、縦抱き、フットボール抱きがあります。訪問にでは、これまで実施していなかった抱き方での授乳もできるように、お手伝いしています。


⑤乳腺炎は、乳房の一部、もしくは全体が発赤して腫れます。痛みももちろん伴います。発熱などの全身症状に及ぶ場合があります。24時間経過しても解熱しない場合は、乳腺科などで診てもらいましょう。場合によっては外科的な処置も必要になるケースがあります。予防するためには、痛みを伴うほど乳汁を溜め過ぎないことと、乳房の清潔が大切です。母乳パット、ニップルシールドの清潔な取り扱いにも気を付けましょう。

私自身も乳腺炎の経験があります。とある地方都市に転居して翌日、倦怠感と発熱で気が付きました。処方をお願いしようと、近医を受診しました。武士のような男性医師に診てもらい、涙目になるようなマッサージをされたのは、今では笑える思い出です。もちろんすぐ受診できたのが良かったとは思いますが…


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