母乳を飲んでくれない


母乳を与えたくても、赤ちゃんが飲んでくれないことがあります。主な原因について説明します。

①乳頭乳輪が赤ちゃんにとって含みにくい

②母乳の分泌があまり見られないため、赤ちゃんが怒ってしまう

③赤ちゃんがあまり口を開けない、舌が伸びない


①の場合、赤ちゃんが生まれて数日以内であれば、赤ちゃんが「どうやったらうまく吸えるか」をチャレンジしてくれるので、その機会を奪わないことが大切です。母児同室で、頻回にオッパイをあげられるのが理想です。教科書的に望ましいくわえ方はありますが、乳頭乳輪の状態によっては、ちょっとイレギュラーな飲み方で、赤ちゃんが攻略することもあります。どうしても難しい場合でも、搾乳や一時的なシールドの使用により、次第に直接母乳ができる条件がそろうため、うまく母乳をあげられるようになってきます。

②の場合、赤ちゃんが生後数日経過してからみられることがあります。お腹が空いているのに、ほとんど分泌が見られない乳房をくわえさせようとすると、怒ってしまいます。母乳を与えようと、抱っこをしただけで泣いて怒ることもあります。この場合、搾乳を実施し、分泌の良い状態に乳房を育ててから、またチャレンジすると良いです。また、ミルクを少し与え、赤ちゃんを落ち着かせてから母乳を含ませることもできます。怒っているのに無理をし過ぎないことも大切です。

③の場合、先ずは、舌小帯の状態を確認します。舌小帯がしっかりあり、赤ちゃんが舌を伸ばそうとすると、舌がハートの形になり、舌が伸びないことがあります。この場合は、赤ちゃんが飲める方法を優先して授乳を続け、専門の医師に診てもらいましょう。あと、よく見られることですが、大きく生まれた赤ちゃんが、あまり口を開けないことがあります。出産過程で、後頭部が長くなった場合ですが、頭部と顔面はつながっているので、頭が後ろに引っ張られた状態では、口が開けにくいです。この場合は数日でかなり自然に改善されます。

その他、乳房が強く張り過ぎて赤ちゃんが飲んでくれないこともあります。張り過ぎる原因は、単純に乳汁が溜まり過ぎている、乳汁の出口が詰まっている、乳房の循環が悪くて張っている、などがあり、原因によって対処方法も異なります。張っている乳房を手でほぐすことは、かえって悪化することもあり、注意が必要です。乳房の循環を良くするようなマッサージは、かなり専門的な経験が必要になります。


いずれの場合も共通していることは、直接母乳を飲んでもらうことが難しい場合、搾乳で分泌量を増やしたり、維持することは意義があります。飛ぶほどの分泌があれば、なんとかなることが多いです。直接母乳にこだわり過ぎて、焦らないことも大切です。

尚、分泌を増やすための乳房ケアや乳房マッサージ、搾乳方法の相談にも応じています。

赤ちゃんへの母乳の含ませ方もお手伝いいたします。


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